純文学小説投稿サイト jyunbun 投稿小説番号300 『アポロ、黄色い骨』 「***アポロ***」  誰かが先にやったのか、それとも風のせいなのか、薄緑の細長い草の葉はもう閉じていた。触ってから電車に乗る事がいつの間にか癖になっている僕は、その日の朝、一つやることがなくなったから草を見ただけで駅の端まで歩いた。電車を待つ人間はいつもと同じで、少しずつ老けて行くいつもの顔が今日も二十六個あった。二十六個も人間がいるに、だれも僕におはようと言う事は無い。たぶん心が無いんだなと、どこだろう、頭か体の奥のほうで思っているうちにアルミニウムだろうか、銀色をした電車が来たからそれに乗った。二十六個の人間の内、この車両に乗り込むのは僕をいれて八個か九個で、今日は八個だった。もちろん名前など無い。  電車の中で僕は人を見ない。そのうち目を閉じるが、開けている間も僕は人を見ない。僕には電車の中の人間が人間には見えないからだ。では何に見えることにしようか、考えつかないから今日は止めた。止めて、いつもの風景を見ているような見ていないような、いや、そう考えているのだから見ていたのだろうと思いながら目を閉じた。  電車は海の上など走ってはいない。雪国へと向かってもいないし、何処でもいい何処かへなど行ってもいない。線路の上を、ちゃんと決められた時間、決められた駅に向かって運行されている。二つの路線の内、私鉄を選んだ事に意味はない。通路を挟んで長椅子に並んで座る形が好きなわけでも特に無い。僕はいつもの場所に座った。二両目の南端の場所だ。椅子は緑色で、少し剥げかかっているとか、張り替えられて綺麗だとかはわからないから考えないし興味など無い。座ってすぐ、僕は目を閉じた。  ちょうど正面に座る人間の家には軍刀が飾られている。刃についた血は代々拭いてはいけない事になっているからそのままだ。女はいつかその血を鑑定しようと思っている。その血と彼氏の血の遺伝子が同じなら、私の祖父は、彼の祖父を刺したか殺した事になる。奇遇だ。女は鞄の上に手を置いていたまま、ユーラシア大陸のどこかで祖父が抜いた刀について考えている。僕は薄目で女を見た。祖父も刀もどこかへ消える。  女の横には新聞を読む男がいる。男の読む新聞は万年同じだ。おかげで人間が左へ傾いてしまった。男の家には毎日本が届く。男はそれにうんざりしている。新聞は読むが本は読まないからだ。この町には図書館が無い。制度が変わって分館は無くなった。そのかわり分館の役目をする家が抽選で選ばれるようになって男の家が当選した。インターネットで予約された本が男の家に届き、予約した者が取りに来る。男は届けられた本を玄関の前の塀の上に置いている。濡れようが盗まれようが関係がない。昨日も本は濡れていた。男はそれが何の本かは知らない。昔、男が人に進められて読んだ本は何にしようか。十九歳の彼はニページだけ文字を追って本を閉じた。返しそびれたその本は、今でも男の家のどこかに有るはずだ。僕はまだ目を閉じている。背中から耳がはえたネズミの写真を思い出した。最近よく思い出すようになった。男が読む本は何が良いだろう。電車が停まった。  駅で何人かが降りて、何人か乗ってきた。僕は少しだけ目をあけて、ここで入れ替わる人間の顔を見た。ここからは若い人間が多くなり、箱の中の雰囲気がかわる。いつもと同じだ。若い人間は現実を連れてくる。僕は窓際に立った若い女と中年の男を選んだ。  男の妻は太っていて、臭いし、何より不細工だから、今日も若い女の後ろに立っている。そういう女しか妻に出来なかった自分の人生を後悔させるのはやりすぎだろうか。男は女の後ろで勝手に服を脱がせていく。しかし画像はあやふやで、裸にしたとたん、女がブツブツだらけの豚のような妻になっていく。 「あれではまるで見世物ではありませんか」 新聞男が僕に話しかけてきた。いつの間にか僕の隣に座っている。 「見世物?」 「汚いですな。可哀想な男だ。見てください、脱がせても脱がせても、奥さんが出てくる」 男が新聞のページをかえた。今日もまた少し左に傾いた。  電車が止まり、目をあけるとそこは知らない場所だった。電車を降りて反対側の駅に行くために歩いた。いつの間にか眠っている間に降りる駅を通り過ぎてしまった。反対行きの電車の中にいつもの人間はいなかった。僕はずっと目を開けて木谷駅までの風景を見ながら電車に揺られた。  「遅刻の理由がそれか、馬鹿かお前は」  電車の中で寝てしまい遅れましたと言う僕に、課長は呆れていた。事務所はいつも薬品のにおいがしている。現実のにおいだ。僕はこのにおいが嫌いで、いつ辞めようかと考えているが辞めずにいる。理由は簡単で、隣の部屋の研究室に好きな人間がいるからだ。アセトヒドロ何とかとか、無鉛化キシル何とかとか、実際にそんな物が有るのか無いのか知らないけれど、要するに僕とは無縁の世界に好きな人間がいるから僕は毎日ここに通っている。においはいつも研究室から漏れて、事務所に入ってきている。実際には漏れてなど居ないが。 「また遅刻?数字読めないの?」  仕事が終わって今日始めて彼女に言われた言葉がこれだった。誕生日に僕があげたデジタルの腕時計を見せながらそう言われた。時計を選ぶとき彼女は電波時計がほしいとこの時計を選んだ。僕には彼女の選んだ時計がケースの中で一番不細工に見えた。 「機能重視よ。時計なのよ、狂ってどうするの」 「似合わないと思うけど」 「時計なのよ」 僕はデザインの割に高く感じたその時計を買った。 「私はあれだよ。本当は頭から羽根が生えた昆虫や、背中に耳を付けたネズミを見ながら彼氏とクスクス笑いたかったの」 この話はもう何回も聞いた。この後、何で彼氏が文学部なのと続く。 「気持ち悪いなあ」 いつもの答えを僕も言う。 「よく言うわ」 今日は機嫌が悪いのか、彼女の家で続くはずもない話が続いた。 「あんた達のほうがよっぽど気持ち悪いわよ」 「何で?」 「想像でしか何もつくれないじゃない。私は大学で本当に頭から羽根が生えたハエを創ったわよ」 「で?」 「あなた達も作るでしょ、想像で。奇形やら、奇跡やらと」 「まあそうかな」 僕は曖昧に答えた。彼女は誤解している。文学部を読書の会だと思い込んでいる。 「役にたつの?想像が」 「さあ」 「答えなさいよ、文学部」 何でこんなに機嫌が悪いのだろう。僕は珈琲もらうよと言いながらキッチンに逃亡を決めた。カップを二つ準備してインスタントの粉をいれた。始めて彼女の家に来たとき、棚の中にビーカーが無くて、冗談で「理系ってビーカーでお茶飲むんじゃ無いの?」と聞いたら彼女は怒った。お返しに、「文系って人の家にきたら何読んでるか物色して、その人の値打ちを決めるんじゃないの?」と反撃された。 「そんな事しないよ」 「それにビーカーで珈琲なんて、あんた達が考えそうな事ね。素敵な発想、さすが文系」 確かにその時、僕は部屋に入ってすぐ本棚に目をやった。僕だけかも知れないが、例えば電車の中でカバーも付けずに本を読む人がいると、恥ずかしくないのかなと思う。こんなの、裸でいるのと同じじゃないかと思うのだ。人の値打ちはどれだけ本を読んだかで決まる。これくらいの事誰かが言ってそうな気がする。彼女なら本気で言ってるの?と言うだろう。それか「馬鹿じゃないの」のどちらかだ。 「電車の中で本読む時、カバーする?」 本棚の中の、いかにも二重螺旋的な本を見ながら僕は聞いてみた。 「しないわよ、何で?」 「いや、何となく」 本棚の中には小説など一冊も無かった。 「小説とかは無いんだね」 「そこに無いだけよ、天井裏にハーレクイーンが山ほどあるわ」 「ほんとに?」 「嘘よ」 彼女は気づいていないかも知れないが、本で人の値打ちを決めているのは彼女のほうだとその時思った。思いたいからハーレクイーンと言って欲しかった。でも彼女は言うわけないし、読むはずがなかった。そんなもの。  珈琲を二つ持って部屋に戻ると彼女が虫に変身していた。などと考えながら珈琲を入れて部屋に戻った。部屋に戻り彼女の首をスパッと軍刀で切ってみる自分の画像が浮かんで僕は強く目を閉じた。カップを短いテーブルに置くとコトリと小さな音がした。彼女は紙に化学式を書いていた。僕が十六歳で諦めた不思議な図形だ。 「それさ、もっと簡単にならないの?」 彼女が、指でカップの持つところを探しあて、珈琲を飲んだ。 「簡単にしたものがこれなんだけど」 こことここがうまくくっつかない。と言いながら、また珈琲をまた飲んで紙を捨てた。 「なら聞くけど」 眼鏡を外してテーブルに置いて僕を見た。さっきとは違うコトリという音がした。 「小説なんかさ、あれこそもっと簡単にできるでしょ。生きた、死んだ、泣いた、笑ったでいいんじゃないの?」 「誰が読むんだよそんなの」 「だから私は読まない」 「それは勝手だけど」 「ねえ」 「何?」 「私といて楽しい?」 「何で?」 「合わないような気がする」 「どこが?」 「全部よ」  彼女は立ち上がり、自分で砂糖を持ってきて、珈琲の中に入れた。いや、入れてはいないが入れて欲しかった。絵にならない女だ。    僕が座ったままの彼女の頭に触れると、顔の真ん中に向かって折れ曲がっている途中だった。あの草はミモザだったかなと思う。出会った頃の彼女の顔と今の顔は違うような気がする。よく見ると右と左で目の形が違う事に今気がついた。右目が好きで、左目はそうでもない。こんなにきつい目だったかなと思う。顔はもう、一本の線になっていた。僕が触ろうとしたからだろうか。  僕は本棚まで四つ這いで歩いていき、右端のアルバムを手にとった。ページをめくりながら「僕はさ」と言う。 「こっちの方が怖いよ」 アルバムに僕が登場するのは後ろのほうだ。半分以上は彼女の大学時代の写真でうまっている。 「これはやっちゃだめだろう」 背中に耳をつけたネズミの向こうで彼女達はピースサインをしている。耳は人間の耳に近い形をしている。写真を見せると「何で?どこが?」と言う。 「想像するだけの人は楽でいいわね、これ創るの大変なんだから」 「想像だから良いんだよ」 「想像してどうするの?役にたつ?」 「娯楽じゃないか」 「出来もしない想像をするのは、気持ち悪いだけよ」 「言いすぎだなそれは」 「物語の中の奇形や奇跡が何になるの?こっちはちゃんと役にたつ、命だって救う」 「話にならない」 「最初からそう言ってる」 「何で僕といるの?」 「多分最後の会話よね。うまく言えないから適当に考えてくれていい。得意でしょそういうの、文学部」  彼女が僕に時計を返した時、手に小さな虫さされの痕を見つけた。そこから耳でも生えればいいのにと思った。電車の中で電波時計をずっと持っていた。捨てようかとも思ったけれど、捨てると良くある話のようで、彼女に負けたような気がするから止めた。時計のどこかのボタンを押すと、秒針がグルリと回った。僕の時計と電波時計は三分十六秒違っていた。だから何、というくらいの些細な誤差だった。時計を飲んだらどうだろう。おもしろくないな。やめた。  帰りの電車の中で、僕はまた目を閉じた。乗客みんなの背中に耳を付けて遊んだ。二つ付けたら羽根みたいだと思った。飛ぶネズミを彼女達は創る事が出来るだろうか。出来ないと思う。僕達の勝ちだ。朝の新聞男にも羽根を付けた。新聞男が僕に話かけてきたら「やめてください」と言うつもりだ。そんな都合の良いように出来ていいわね、と言われそうな気がしたからだ。居もしない新聞男を登場させる事を僕はやめた。新聞男は今頃家で、届いた本を家の塀まで運んでいるだろう。家に帰ったら本を予約してみよう。昔、友人に借りて読んだ本は何だっただろうか。あの頃僕は本気で宇宙に行きたいと思っていたから、多分宇宙の本だ。宇宙まで僕はアポロに乗って行きたいと思っていた。残り僅かな駅までの間、僕はアポロに乗る夢をみた。 「これは私達がつくったのよ」 アポロの前で彼女が言う。 「あなた達はアポロをつくる事は出来ない。ビルの一つでも無理でしょう?」 僕は目をあけた。朝だったらいいのにと思ったからだ。電車の窓の向こうにはちゃんとした夜が来ていた。 「残念、私達の勝ちね、地球はまるくて回ってるのよ、知らなかったでしょ?」 「アポロの話は嘘だよ」 僕はそう言ってやった。宇宙へなど僕が行きたいわけなど無かった。  耳の羽根をつけた人間達は電車の中をまだ飛んでいた。僕は飽きてしまって目を開けた。目の前に眼鏡をかけた女がいて、本を読んでいた。この人間とならうまくやっていけるだろうか。ブックカバーの奥の本は何だろう。時計をあげれば喜ぶだろうか。本を読む人間の腕の時計は、僕があげたかった時計に似ている。女が僕を見た。 「無理よ」 彼女の声が聞こえて、顔はもう戻ったのだろうかと思った。 電車を降りて僕は草の場所まで歩いた。草が開いていようが閉じていようが、閉じていたと言うだろう。信じて欲しい。草は本当に閉じていた。 「***黄色い骨***」 「死んでからも迷惑かけるのか」 長男の慎太郎が言う。 「本当に撒くのかよ」 次男の慎二が答える。 「庭にそのまま埋めたらどうなるの」 三男の慎也が骨壷を少し開けた。    確かに彼ら兄弟の父親である慎一郎はろくでも無い人間だった。悪い事をする人では無かったが、兄弟達に与えたものは毎日の食事と服と「慎」という文字以外何も無かった。勉強をしろとも言わなかったし、外で遊べとも言わなかった。勝てとか負けてもいいとか、戦え、逃げろとかも無く、自分の気持ちを子供達に伝える事を拒否したまま、ただ生きているだけの人だった。 「それがこれかよ」 慎太郎が言う。慎一郎は遺書を残していた。骨を海に撒いて欲しい。それだけの遺書だった。 「馬鹿なやつだ」 慎二が言う。「何様だと思っているんだ」 「そりゃ俺様だろうよ」 慎也が答える。「知ってるか、人間、骨になると悪いところは黄色くなるんだってな」 「だから全部黄色いのか」 慎二が小さな骨壷の蓋を開ける。兄弟の足元に白い骨壷が置いてある。お茶の葉を入れる入れ物くらいの大きさだ。そこから黄色い骨が見えている。 「庭に埋めちまえよ」 慎也は骨を撒く気は無いようで、埋めちまえ、と言うばかりだ。 「死体遺棄とかになんないのかな」 「焼いてるんだから大丈夫だろう」 慎太郎と慎二が話をしている。 「墓地法とかあったような気がする」 「こんな奴に墓が必要なのか?」 慎太郎と慎二だけで何かを解決したことは一度も無い。かと言って、三匹の子豚のように慎也が良い知恵を出すことも無い。現に、埋めちまえと言うだけだ。 「庭は駄目だったような気がする」 「それは人の家の庭とかだろ」 「そんな事する奴いるのかよ」 最後に喋った慎也が黄色い骨を掴む。 「幼虫みたいだな」 「どっちかと言うと蛹だろ?」 慎二と慎也の意見はいつも似ているようで違う。二人はそれに気づいていない。子供の頃からずっと気づいていない。慎也は庭に埋めた骨から幼虫を連想している。多分カブトムシの幼虫だろう。兄弟で虫を好きになったのは慎也だけだ。慎二はカブトムシの蛹を見たことが有るのだろうか。適当な事を言っているだけだと思う。 「庭に骨なんか埋めてさ、そこに花が咲いたらどうするんだよ、怖いよ俺」 慎太郎は言う。ここに住んでるのは俺なのだと。 慎太郎は花が怖いと言っている。骨から花を連想している。黄色い花が咲くのだろうか。香りもない、ただ黄色いだけの花が。 「だから庭に埋めるのは止めてくれよ」 馬鹿なのだ。 「俺は持って帰らないよ」と慎二が言う。「俺も」と慎也が言う。黄色い骨は黙っている。 「しょうがない。撒きにいくか」 慎太郎が立ち上がり、ズボンの皺を伸ばした。 「撒くんじゃない、捨てるんだ」 慎也は座ったままだ。「撒いたら俺達の負けだ」 「骨って、水に浮くのか?」 幼虫を連想した慎二が言う。 「浮いたら何なんだ?」 慎太郎がもう一度座る。 「塩水だろ、浮くんじゃないのかな」 慎也が立ち上がり台所からコップを取った。蛇口をひねり、そこに水をいれる。 「ここに塩いれて浮くかどうか見てみる?」 「浮こうが沈もうがそのまま捨てるわけには行かないだろう」 慎太郎は海へ行こうとしている。慎也は遊んでいるだけだ。慎二が骨を一つとりコップの中に入れた。まだ塩を入れていないその中で、骨は浮いた。 「スカスカじゃねえか。馬鹿の骨はスカスカなのか?誰の骨でも浮くのか?海でも川でも浮くなこれは」 慎二はいつもこうだ。誰かが何かをした後でしか、何かをしない。彼もまた馬鹿なのだ。 「じゃあさ」 慎也が言う。骨を壺から出してブロックみたいに遊び始めた。 「砕いて玄関からパッと撒いとけばいいんじゃないの?」 豆まき。鬼。そんな事を兄弟達は言い出した。 「今年は南南東だったかな」 「それは寿司の話だろ確か」 「やったことないからさ、わからないよ」 少し積んだ骨の山を慎也は指でつついた。慎一郎が節分の行事をするはずなど無かった。骨は静かに崩れた。 「俺はこいつの言うことを聞く気はない」 慎也が右手で骨を集め、慎二がそれを壺に戻している間に、慎太郎が言う。 「俺もない、俺もない」 同じことの繰り返しだ。骨は笑っているだろう。 何もしなかった父親は遺書に骨を撒いてくれと書いただけだ。なのにこんな簡単な事が三人は出来ない。骨を砕いて海に行き撒くだけの事が何で出来ないんだ、馬鹿かおまえらは。骨の声が聞こえた。 「私がやるわよ」 父の部屋に金槌を取りに行く。 「悪いな智子」馬鹿な兄達の声が聞こえた。  黄色い骨を砕きながら、父が兄達を見捨てたのはいつ頃だっただろうかと考えた。今から私は海へ行く。兄たちは呼ばないつもりだ。一人で海へ行き一人で骨を撒く。私にだけ愛情をくれたお父さんに私は言うだろう。 「さようなら」と。  黄色い骨が粉になって行くところを兄達は見ていない。見ているのはテレビだ。 「アポロ、黄色い骨/あけぼの」
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